ビジネスは勘と経験?
昔からビジネスには経験(Keiken)、勘(Kan)そして度胸(Dokyou)、いわゆるKKDが重要だとされてきました。
アイ
しかし、このような経験や勘に基づく意思決定は当然ですが個人のばらつきが大きく、第三者が妥当性を判断することが難しいという問題があります。
ロボ千代
結局は「ベテランのあの人が言うからそうなのかもしれない」という発言者の権威や肩書きに頼ることになります。
これにより、経験なのか思いつきなのかよくわからいないオジサンの意見ばかり通る職場の出来上がりです。
現代はKKDでは仕事ができない
ひと昔前までの人々のニーズは「足りないものを補うこと」「不便なことを便利にすること」が中心でした。
需要が供給を上回り、作れば売れるという時代です。
しかし、今日では「モノ余り」の時代を迎え、SNSやレビューサイトなどによる消費者同士の横のつながりも増えています。
そのため、ユーザーの目が非常に肥えており、そんじょそこらのモノを作っても誰も買ってくれません。
また、今では昔と違い、新聞・テレビ・ラジオなどに加えてYouTube・SNS・ブログなど数多くのメディアが存在し、人々は様々な情報に日常的に触れています。
これにより、ライフスタイルや嗜好が多様化・複雑化しているのです。
これからのサービスや製品は、個人個人のニーズに対して、よりマッチしたものが求められます。
よって、人間が過去の経験則だけで人々のニーズを分析することが難しくなっています。
これがKKD(経験・勘・度胸)だけではもうビジネスが立ち行かない理由です。
メディアの形が時代とともに変化していくことで、消費者の購買行動も変化してきました。
この行動モデルは大きく以下の3つに分けられます。
- マスメディア時代」
- インターネット時代
- コンテンツマーケティング時代
興味のある方は下記のサイト記事などを参考にしてみてください。
「購買行動モデル」の時代変化と今
新時代のデータドリブンな考え方とは
ではこれからの時代、どのような思考によってビジネスを進めていかねばならないのでしょうか?
ロボ千代
「ドリブン(driven)」というのは、英語で「原動力となる」という意味です。
データドリブンとは、データを原動力とすること。つまり、データに基づいて物事を判断し、意思決定を進めていくことを言います。
会議などでそれぞれが経験や勘にもとづいて好き勝手なことを言い始め、結局何も決まらないまま解散したという経験は誰しもあるでしょう。
ロボ千代
アイ
データは客観的なものですから、このように不毛な議論をする必要がなくなります。
結果として、スピーディーに合理的な結論を出すことができます。
ひと昔前まではデータを収集するのも分析するのもそれなりに大きなコストがかかりました。
しかし、現代ではあらゆるモノがインターネットに接続され、多くの情報を収集することができる時代です。
さらに、コンピュータ性能も飛躍的に向上したために、それらの膨大なデータを簡単に保存し分析することができるようになったのです。
データ分析・活用の大まかな流れは以下のようになります。
- データの収集
- データの分析・可視化
- アクションプランの検討と実行
必要なデータを集める
集めたデータを整理・分析し、グラフなどで可視化する
分析から得られた知見を元に意思決定を行い、必要なアクションを計画/実行する
彼女の名は「フローレンス・ナイチンゲール」。
白衣の天使と呼ばれたのイメージからは意外にも思えますが、彼女は幼いときから英才教育を受けており、数学・統計学の考え方と知識を備えていました。
1853年に勃発したクリミア戦争(ロシアとトルコ・フランス・イギリスの戦争)にはイギリス軍の看護婦として従軍。
そこでは目にしたのは、戦争そのものの負傷よりも不衛生な病院の環境のために死んでいく兵士達の姿でした。
クリミア戦争から帰還した後、ナイチンゲールは戦死者・傷病者に関する膨大なデータを分析に着手しました。
兵士の多くが戦闘で受けた傷そのものではなく、傷を負った後に治療を受けた病院の衛生状態が劣悪なために死亡したことを客観的に明らかにしたのです。
まとめ
ひと昔前のビジネスは経験と勘で乗り切っていくことが大切だったのかもしれません。しかし、今は多様化する顧客ニーズや複雑化する市場の中で価値を創造していくために、データ分析し合理的な意思決定をすることが求められています。
このような「データドリブン」な考え方は、エンジニアや研究者だけではなく、ビジネスに携わるすべての人が身につけるべき素養です。
ロボ千代
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