そのグラフおかしくない?詐欺グラフにダマされないコツ

本記事はスキルチェックリストの[データサイエンス力 No.119]「不必要な誇張をしないための軸表現の基礎を理解できている(コラムチャートのY軸の基準点は「0」からを原則とし軸を切らないなど)」に対応しています。
※コラムチャート=縦棒グラフ

なんかアヤシイ棒グラフ

グラフの中でも最もよく使われるのが棒グラフや折れ線グラフでしょう。
皆さんもニュースや本、様々なメディアで目にすることも多いはずです。

棒グラフや折れ線グラフは2つの軸によりデータを表現する方法です。
シンプルがゆえにこの軸表現が不適切だと簡単にグラフを見る人に誤解を与えてしまう危険性が潜んでいます。

アイ

ふーん、例えば?

詐欺グラフ―縦軸が0からでない

このグラフを見てどんな印象を受けますか?

ロボ千代

アイ

当予備校がダントツで1番に見えるね

でもこのグラフ、よく見るととてもおかしな点があります。
どこがおかしいかわかりますか?

アイ

大学ばかりが人生じゃないわ
そういうことじゃありません

ロボ千代

縦軸の目盛りを見ると0から始まっていませんね。とても不自然なところから始まっています。

このグラフを縦軸を0始まりで書き直すと、こうなります。

アイ

何よ
全然差なんてないじゃん

最初のグラフと受ける印象がかなり違うと思います。
最初のグラフは元のグラフの一部を拡大しているわけです。
これは、差を大きくみせるためのやり口です。
読み手をダマすために意図的に作成された歪んだグラフのことを、一部の間では「詐欺グラフ」と呼ばれています。

誇張したコラムチャート

こんなグラフは描いてはいけない―不適切な軸表現集

ツイッターを #詐欺グラフ で検索するとたくさん面白いグラフが見つかります。
ここでは「描いてはいけないグラフ」の例としてパターン別に実際のグラフをご紹介していきましょう。

縦軸が0から始まっていない

もっとも多い詐欺グラフが冒頭でも紹介した縦軸が0から始まっていないパターンです。

棒グラフは、棒の表す面積が見る人に強烈な印象を与えます。なので、グラフの一部を切り出すような0以外を起点にしたグラフを描いてはいけません。

このようなグラフは小さな違いを重大な違いであるかのように見る人を誤解させます。

データの改ざんではないものの、意図的にこのような誤解を与えて印象操作する行為は詐欺の領域といえますね

ロボ千代

縦軸を明記しない

縦軸を描くことすら放棄したグラフもあります。正直、これはグラフと言えるかどうかすら怪しいです。
ただの棒グラフ風の何かという方がよいでしょう。

縦軸がないのできっちり定量化する必要がありません
やりたい放題の無法地帯です

ロボ千代

軸の間隔が一定ではない

縦軸が一応描いてあるのですが、軸の目盛りが一定でないグラフもあります。
これはなかなか高度な詐欺テクニックです。

MEMO
念のため書き添えておくと、極端に範囲の広いデータを扱うための「対数グラフ」のように目盛りが一定間隔ではないグラフもあることにはあります。
これは詐欺グラフというわけではありませんのでご注意ください。

アイ

縦軸も描いてあるし、0から始まっているから
うっかりダマされそうになるわ

異なる軸を並べる

1つのグラフの左右に別々の軸を持つ2軸グラフを見かけることがあります。
この2軸グラフ自体は間違いではないのですが、異なるスケールのものを同一グラフ上に並べるため、読み手に誤解を与える可能性が高くなります。

例えば次のグラフです。

よく見ると左右の軸の間隔も最大値・最小値も違っています。
なぜ一つのグラフで表現しようとしているのか理解に苦しむグラフです。

棒グラフの縦軸を省略する

縦軸を省略していることを明示しているだけ良心的かもしれませんが、やっていることは見せたいところだけを拡大しているだけです。

ここで紹介した他にも、「縦軸の最大値をムダに大きくして差を小さく見せかける」というテクニックもあります。

詐欺グラフにはくれぐれもご注意ください

ロボ千代

さらに理解を深めたいなら

この記事では駄目なグラフの例を紹介しました。
では、どのようなグラフを描くと正しく伝えられるグラフになるのでしょうか。

その答えを知りたいならこちらの本をオススメします。

棒グラフや折れ線グラフなどの基本的な書き方や陥りがちな間違いなど誰もが知っておきたい基礎知識をしっかり習得できます。
この本で扱っているのは「棒グラフ」「折れ線グラフ」「円グラフ」「レーダーチャート」「ヒートマップ」「散布図」「積み上げグラフ」です。
ユニークなのは、棒グラフなどの各種グラフは誰がどのように考え出したのかということや、その生みの親の生涯など、グラフが生み出された歴史や背景に関しても各章末にコラム的に書かれていることです。棒グラフの生みの親「ウィリアム・プレイフェア」の波乱万丈な人生などは読み応えがあります。

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