牛肉を食べると落雷に遭いやすくなる?3つのポイントで「相関関係」と「因果関係」の違いを見抜く

本記事はスキルチェックリストの[データサイエンス力 No.7]「相関関係と因果関係の違いを説明できる」に対応しています。

それってホントに因果関係?

これは「アイスクリームの消費量」と「水難事故の件数」を月別にグラフ化したものです。

アイスと水難事故の相関
出典:日本アイスクリーム協会-家計調査実績(https://www.icecream.or.jp/biz/data/expenditures.html)、
河川財団-過去 10 年間の水難事故の概要と今後に向けた対策 (https://www.kasen.or.jp/Portals/0/pdf_mizube/2014suinan.pdf)のデータより筆者が作成

アイスクリームの消費が増えるに従って水難事故が多発し、アイスクリームの消費が減ると水難事故も落ち着いているように見えますね。

アイ

まさかアイスを食べると溺れやすくなるんじゃ…
ロボ千代チョップ!

ロボ千代

確かにアイスの消費量と水難事故の件数は同じような動きをしていることがわかります。

しかし、アイスの消費が増えるから水難事故が増える、と考えてはいけません。

2つのことがらのうち、一方が増えると、もう一方も増える関係「相関関係」と言います。

そして、一方が増えるからもう一方も増えるという関係を「因果関係」と言います。
因果関係は一方が原因となって、もう一方が結果として生じる関係と言ってもよいです。

私たちが陥りがちな思考のワナは、相関関係があると因果関係もあると思いこんでしまうことです。

因果関係と相関関係は別物であるということを常に心に留めておいてください。
相関関係があるからといって、必ずしも因果関係があるわけではありません。

因果関係の思い込みから抜け出す3つのポイント

私たちは様々なメディアでいろんなデータを目にする機会が多くなりました。
その中には、意図的に私たちに事実を誤認させるような悪質なものも含まれています。

相関関係が見られる場合でもすぐに因果関係があると決めつけずに、次の3つのポイントから疑ってみるといいです。

  1. ただの偶然では?
  2. 第三の因子があるのでは?
  3. 逆の因果関係では?

ただの偶然では?

次のグラフは牛肉の消費量と落雷での死亡者数の推移です。
とてもよく相関していますね。

牛肉の消費量と落雷での死亡者数の関係
出典:Spurious Correlations(https://tylervigen.com/page?page=3)をもとに筆者がグラフ作成

では、牛肉を食べると落雷に遭いやすくなるのでしょうか?
そんなわけないですよね。常識的に考えれば、牛肉を食べることと、落雷に遭うことはまったく関係がありません。
これは、ただの偶然です。

データというのは無限にありますから、その中で偶然似た形のグラフがあってもおかしくはありません。

この見せかけの相関は下記のサイトでたくさん見ることができます。

Spurious Correlations

下の方にあるold versionというリンクをクリックするともっと多くのグラフを見れます。

このサイトの事例の中から、いくつか興味深い例を紹介します。

  • 一人あたりのチキンの消費量と、アメリカの原油輸入量
  • アメリカの卵消費量とサイクリストが静止物に衝突して死亡する数
  • プエルトリコの弁護士の数とベットから転落死した人の数
  • 数学の博士号取得者の数と自殺者の数
  • チーズの消費量とゴルフコースの収益

第三の因子があるのでは?

2つの事柄が相関している場合、その裏にまったく別の共通因子が隠れている可能性があります。

冒頭のアイスの消費量と水難事故の件数の例を思い出してください。

実はこの相関にも「第三の因子」が隠れています

ロボ千代

アイ

夏になるとどっちも増えてるよね…
あっ、もしかして「気温」?!

そうです。
アイスの消費量と水難事故の件数の相関には、気温という第三の因子が隠れています。

・気温が上がると冷たいアイスが売れる
・気温が上がると海やプールなど水辺での遊びが増えるので水難事故も増える
ということです。

逆の因果関係では?

「東洋経済オンライン」で下記のように興味深い記事がありました。

「飲酒量が多いほど」生涯未婚率が高まる事情

アイ

私もお酒を飲むから気になるわ

この記事では、男女ごとの飲酒量と生涯未婚率との関係性について調べており、男女ともにゆるやかな相関が見られると結論づけています。
つまり「飲酒量が増えるほど、生涯未婚率が高い」ことがデータから示されるということらしいのです。

アイ

うーん…
お酒を飲む人って敬遠されちゃうのかなぁ

お酒を多量に飲む人を結婚相手として望ましくないと考えている人もいるでしょうから、お酒を飲むから結婚しにくくなるという方向の因果関係は考えられます。

しかし、逆の因果関係も考えられます。

独身のときは、休みともなれば昼からお酒を飲みながらテレビを見たりゲームをしたりと好き放題できるものですが、結婚するとそうもいきません。

つまり、お酒を飲むから結婚できないのではなく、結婚していないからお酒を飲む量が多い可能性もあります。

ま、アイさんは結婚に関係なく飲酒量を減らした方がいいですよ
飲みすぎです

ロボ千代

アイ

はい…

さらに理解を深めたいなら

本記事では、因果関係があるかどうかを疑う3つのポイントをご紹介しました。
この3つのチェックポイントを通過した場合、それは本当に因果関係があると考えていいのでしょうか?
この問いに答えるのが『「原因と結果」の経済学―データから真実を見抜く思考法』です。

相関関係がある事柄に対して、本当に因果関係があるか?を考えることを因果推論といいます。
この本は因果推論の超入門書です。
経済学とタイトルにありますが、特に経済学に特化した本ではありません。

難しい数式などはまったくなく、私たちの身近な事例も豊富なため、読み物としても楽しめます。
メタボ検診と長生きの間に因果関係はあるのか?などとても気になるテーマも扱っていて、因果推論の考え方を学ぶ入門として最適です。

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